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Robocon2020の振り返り(機械班編)

先日、学ロボFESTIVALが終わり、一年間の活動の区切りがつきました。

熱が冷めないうちに、文章にて残していきたいと思います。


体制と結果

既にブログやtwitterなどで発表しているように、NHK学生ロボコン2020は中止になりました。そして、その代替イベントであるオンライン!学ロボFestivalにてベストプレゼン賞を受賞しました。

 

学ロボFestivalが終わり、1年間の活動に区切りがついた今、とにかくホッとしています。去年のように締め切りに追われることは少なかったように感じますが、特殊な状況下で思うように活動できない焦りが大きかったです。

 

体制としては、機械班7人、回路班4人、制御班3人、広報班4人という形でした。機械班の内訳は2年生2人、1年生5人です。

さらに機体ごとではPR製作が4人、TR製作が3人と別れていました。一次審査までは1年生の設計製作の機構がそのまま積まれていましたが、2次審査に向けての改良(春休み期間)で1年生の参加が厳しく、PRとTRともに2年生が一人ずつ再設計を行った形になりました。

 

前年に比べ1年生の参加率、残留率も高く良かったと思う反面、もう少し参加する機会が多く長くあれば良かったなと思う気持ちがあります。そこで、来年に向けた機体製作時には全員参加の加工dayや配線dayを取り入れることで参加のハードルを下げながら、チームとして分業を行えるシステムにしたいと考えています。その際、感染対策としての人数制限は必須ですね。

 

機体の完成時期は12月中旬と例年にない速さにはなりました。1次審査時点で課題達成はできたものの自動化に至れず、成長率が低かったと反省しています。


製作した機体

自分と現2年生3人とで製作を行ったPR(pass robot)です。

 

足回りは四輪オムニ+XYエンコーダに加えて駆動輪エンコーダもついており、制御ではオドメトリを行うための足回りでした。結局駆動輪エンコーダを使うことはありませんでしたが…。

 

出場チーム唯一の倒し込み型ピックアップを実装し、ブラシレスモータを動力としたパス機構(ローラー)でTRに飛ばします。当初、ローラーの摩擦係数の小ささからボールの損傷が激しかったパス機構ですが、材質を変えたところ変更前の約一割の出力で安定しました。キック機構よりも出力の高いものが出来てしまいました。ブラシレスすごい。

 

キックにはクランクスライダを用いた機構を製作しました。死点で無限の力が出せる(理論上)ので死点近くでキック位置を調整しています。定荷重ばねを動力にしたことで出力の安定化を図り、巻き取りと開放を一つのモーターで行える二重ラチェットを自作し、装着しています。この二重ラチェットはもともと一関高専さんが作成していたものを改良したものになるのですが、二つあるラチェットのうち内側ラチェットの破損が多く、悩まされた部分です。

 

改めて見ると、役割が多いということを鑑みてもゴチャゴチャして……いや、かっこいい!!!!ということにします。はい。

 

部長と現2年生2人とで製作を行ったTR(try robot)です。

 

足回りはPRと同じ構成です。こちらも駆動輪エンコーダは仕様しませんでしたね…。

 

ネットは部長がhomacで探してきたものです。当初はもっと目が細かいものを使用していましたが、二次審査に向けた改良時に今の粗いネットに変更されました。最終的に何重にもネットやナイロンカバーを設け、多角度からのボール入射に対応できるようになりました。

 

あまり魅せる機会はありませんでしたが、レシーブ範囲を広げるためにネットを広げる開閉機構がついていました。

 

トライは当初押し出し機構を採用していたものの、1次審査突破時に実際のトライの迫力が欲しいとのNHKからの声を聞き、回転型のトライにしました。ネットの張り具合でトライ時規則をクリアしています。他チームは押し出し方がほとんどだったような……アレ?

 

※トライ時規則=ボールがトライエリアに着く時、機体がボールに触れていなければならない。


他チームをみて

東大の速さにはもう言うことないです。独ステに採用されていた2.7KWか3.6KW出せるブラシレスインホイールとかめちゃめちゃよかったです。モーター特性や機構特性の理解が深いからこそ使いこなせるんでしょうね…。学ロボFestivalでも話題に出ていましたが、最適経路の探索はどうやっているのでしょうか。パッと思い浮かぶのはTime optimal path parameterizationとかですかね…。豊橋のクチータはすごすぎました。ピックアップのハンド型が多い中であの形を思いついた発想がもう。

 

東工大の回路カバーは個人的にあがりました。外車感がすごい。立命館のパス機構とキック機構の両立や信州大のトンネル型の機体も面白かったですし、金工大の定荷重ばねダンパー付きのレシーブ機構は盲点でした。

 

他にも面白いチームがたくさんいるので、是非学ロボfestivalにアクセスしてみてください!!

 


動画紹介

中止になったNHK学生ロボコン2020の審査ビデオです。


学ロボFestivalに投降した動画です。


忘れたころにやってくる。チームの紹介PVです。


最後に

最後になりましたが、ご支援ご声援いただいた全ての方々に感謝申し上げます。

厳しい状況下ではありますが、チームとしてまた一段と成長できるよう頑張っていきます。

 


機械班班長 野口